天海雑談、なんか遠い話
2019年12月17日
9室組の信仰 - ミイサの場合 -
- 海13 「数字は神の言語、数式は神の文法」
- 天07 「いきなりどうした」
- 海13 「ボクはこの言葉を支持するよ」
- 天07 「おまえの神は精神ではなかったか?」
- 海13 「そう。それもひとつの形」
- 海13 「ボクにとっての神は、この世の原理そのものだ」
- 海13 「この世の原理は世界中のどこにでもあって、何百年、何千年経っても存在し続ける」
- 海13 「なんなら神の言語は元素記号と化学式でもいい」
- 海13 「しかしそれだけでは足りない。エネルギーのやりとり、構造の形、それらもカバーできる式を組み合わせていけばきっと、核心にまた一歩近づける……」
- 海13 「神の領域に近づける……良いなあ……ウフフフ……」
- 天07 「それは人のさがにも対応しているのか?」
- 海13 「どうだろうね。生化学や経済や統計の世界でなら、いくらか説明可能かもしれないな」
9室組の信仰 - テンナの場合 -
- 海13 「テンナにとっての神様って何者?」
- 天07 「さあな。おれの教団で崇拝しているのはたぶん、道徳なんだよ。神なのかは知らない」
- 天07 「人間社会の理想の姿を、信仰しているようなものだ」
- 天07 「この世の仕組みに神聖さを見出すという意味では、ミイサとも近いものがある」
- 天07 「教義に異論があるのは山々だが、教団が掲げた思想は今のところ有益に見えるし、機能はするはずなんだよ」
- 天07 「正直、あの地域にしか通用しない、あの地域性だからこそ通じる決まりごとだとは思うが、決まりが全く無いよりは過ごしやすくなるだろう。その場に馴染んだやり方で、その場をうまく保つにはな」
あちらを立てればこちらが立たず
- 天07 「……有益だが、無害と決まった訳じゃない」
- 天07 「ある価値観をよしとすれば、そうでない価値観が蔑ろにされる。何かしらの側面が必ず傷つくわけだ」
- 天07 「例えばおれは山羊座の者だが、価値観が遠いのは対向の蟹座よりも、双子座や獅子座のほうではなかろうか。向こうに自制を強いても反発されるのは目に見えている。射手座や水瓶座ならば、蟹座的な主張を扱いがたく、蟹座側が傷つくことになりそうだ」
- 天07 「おれの教団も、完全な理想実現には至らないだろうな。人の側面を闇雲に『不完全だ』と罵る限りは」
- 海13 「ドデカテモリーとか取り入れて、どうにかならない?」
- 天07 「その手があるか。ただな、それで完成形に至っても新しい思想に惹かれてやり直しだぞ」
- 天07 「教団どころか、おれたちが信じた地盤さえ風化して無意味になる。終わりも正解も何もない」
- 海13 「そうだね。キミの夢もまた別のポリシーにテコ入れされちゃうよ」
- 海13 「改良されるなら結果オーライなんじゃない?」
- 天07 「断る」
- 天07 「そこまでするのは抵抗がある。おれは籠の鳥で充分よ」
- 海13 「あれ。もしかしてテンナ、変化するのがまだ怖い?」
- 天07 「さっきから痛いところを突くんだな、お前」
- 海13 「ふ~ん。籠の鳥だなんて、天王星の名が廃るじゃないか」
- 天07 「仕方ないだろ。立場と信用を失えば、やりたいこともやれない。賛同が得られなければ成功は水の泡」
- 天07 「積み重ねが物を言う世界で、急激な変化など以ての外だ」
- 海13 「……そうかい」
- 海13 「まあ、土地柄がそれだもんね」
- 天07 「だから多少窮屈でも構わない。確実に力をつけるまでは」
9室組の関係
テンナとミイサは雑談仲間で、たまに酒飲み仲間
仕事で忙しいトニイは、テンナやミイサとはあまり会わない仲? 大学つながりでわりと会う仲?
3人とも所属は同じだけど親密ベタベタな関係にはならない、6度も8度も14度も離れた土天海山羊組。