キイクーのリリカル昇華テクニック

画像:ラップ作戦

2021年10月16日

最近のキイクー、誰かの手札が凶暴化したときにラップで解決しようとしてくる。しかも効果抜群。

  • 「よーよよー? 急に燃えた殺気に そっこーレスキュー到着 ワケありなら話し聞くよキミにパス・ザ・マイク」
  • 「どうせ暴れるならビートに 罵るならフロウに 乗せてアート置換したらどう? 試す価値あり」
  • 「急にそう言われても……」
  • 「いざ考えると さっきまで何に狂っていたのかさえ 思い出せない」
  • 「言う気がなくなっちゃう その気持ちも超・超・わ・かーる!」
  • 「けど気の持ちようで片付けて放置しちゃっても症・状・悪・化ァ!」
  • 「だから来たんだ~」
  • 「殺気は薄れたみたいだし、応急処置にはなったかなっ」

2021年10月17日

冒頭と同じ画像 画像:ラップ作戦

ラップで解決するキイクー

昨日の流れ。
激しく吠えたてる何者かの声がする。
危ない気配を感知して駆けつけたキイクーは、ラジカセを持ち込んでノリノリで登場。
暴言だったらリズムに乗せてラップスタイルで、と提案するキイクー。

暴れていた何者かはその時点でドン引きしてしまい、クールダウン。
歌詞として言葉を練りなおそうとしても、さっきまで吠えていた内容さえ思い出せなくなっていた。
改めて人前で説明しようとすればこういう現象もよくあること。とくに、不満の根拠が不安からくるものであれば。

不安に近い質感の感情は、このように根拠が弱く、身の回りにはっきりとした原因がなくても発動できる。
原因がないので、深掘りしようとするほどうやむやになりやすい。

キイクーのラップ作戦には毒抜きとガス抜き、両方のねらいがあった。
言いたかったことの発散を促しつつ、その中身はリリックとして合うものを選んでもらう。
リズムに乗せることで気分のノリもまるごと入れ換える。
そうしてラップに集中しているうちに、攻撃性はだんだん二の次になる。という作戦。

だけど思考コストが高いのか、ラップ作戦は連続使用がむずかしい。
提案したキイクー本人が手札疲労を起こし、少しの間、出番がひっこんでしまった。

何度も繰り返しやっているとリリックを凝らせたくて逆にスランプにはまったり、鎮圧の対象が「もういいから」と呆れたり、そもそもキイクーのレスキューやラップ作戦が必要だった危険な暴動を再現するのが負荷高いしとっくに収束してるし……で、続かない。

なだめさせる行為を狙い通りにやることは目的じゃなく、なだめが要らない状態になれるなら、手段は何だっていい。というのが願望のゴール。
だから、ラップ作戦がグダグダになっちゃっても鎮圧には成功ってことで結果オーライ!

2021年10月18日

  • 獣 「オレと同じ目に遭え♪ オレと同じ目に遭え♪ オレと同じ目に遭え♪」
  • 金 「オーケーオーケー♪ いい調子だね~!」
  • 金 「こういう形でのBEEFならいくらでも歓迎だよ♪」
  • 金 「でも同じことを赤の他人に言ったら明日は無いからね」
  • 獣 「ぐおっ てめえ」
  • 獣 「その手札 まだ持ってやがったのか まさか あの化物鳥の手下か?」
  • 金 「ちがうよ」
  • 獣 「あいつのように またオレを潰しに きたんだな!」
  • 金 「ちがうってばー」
  • 金 「……でも、やり方が違うだけで、目的は似ているのかもしれないね」
  • 金 「平和のためなら……」
  • 獣 「……」

ライムは考えずにリズムに乗せるだけなら思考コスト節約できて疲れにくいし、ハッピー効果もちゃんとある。

「言うことがない」「思いつかない」というメッセージでも、それをそのまま歌わせれば曲が続く。れっきとした対話になる。
あとはキイクー主導でどんどん音楽が展開して、オチがなくても別の曲でうやむやにしてくれる。
あめのうずめ1号、強い。

2021年11月21日補足

※ 注意!
今回はオチとして入れてるけど、共感ベースな対話の場面で「~したら明日は無いからね」なんて脅すのは禁句だよ!
脅しだったからね。ホントの他人にやっちゃうと、せっかくの信頼がリセットされるおそれもあるんで。

人を傷つける発言を許さないキイクーにも、それを「許さない」という行為自体に含まれた残酷なところがあるのです。
キイクーとてパーペキ聖人ではない……

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