テンナとミイサと入信希望者くん
2020年8月3日
- 天07 「何、教団について詳しく知りたいだと? 諦めろ。おれは勧誘が嫌いなんだ」
- 天07 「熱心でもない信者のおれに期待なんかするな」
- 天07 「人を敬い、理想の社会を共に築く。それだけだよ。それを目指す人間が集まる。よくある話だろう?」
- 天07 「それに加えて祈りをしたりな、ディスカッションしたり、人の話を聴いたり、人の話を聴いたり……」
- 天07 「そして人の話を! 聴いたりだ!! あ゛ぁっ!」
- 天07 「……すまない。取り乱した」
- 天07 「運営者クラスになれば遠出の集会も頻繁にあるぞ」
- 天07 「なんだ、関心が増したのか。よっぽどの人好きか? 教団でうまくやる素質はあるようだな。気に入られるぞ」
- 天07 「しかしここまで素直な若造を、集団組織の思惑で囲ってしまうのは勿体ない」
- 天07 「どうせ入信するならミイサを頼った方がいいんじゃないか?」
- 天07 「おれ達の教団に順応する前に、あいつの柔軟な宗教観に触れておくといい。広く有意義に学べるだろう」
- 天07 「どんな外見か、覚えておかないとな。あれは一目で分かる」
- 天07 「青くてデカくてぼやぼやした奴だ。ほら、こいつ」
- 天07 「おれが薦めたってことは、本人にばらすんじゃないぞ」
- 天07 「こいつとは腐れ縁でな。頼りにしていると知られたら、後で散々茶化されるんだ!」
- 天07 「そ、そうだ、…………『トニイに頼まれた』と言え」
- 天07 「この写真で最も大柄な人物がそうだ。この中でなら、おれも少しは似ている」
- 天07 「いいか!? トニイだ、おれが土星のトニイだ! いいな!?」
- 海13 「へえ……トニイの紹介でここに?」
- 海13 「こんな辺鄙な祭壇まで辿り着くとは、中々の向学心をお持ちのようだ」
- 海13 「客人を招くのは本当に久しぶりだよ。好きなだけ見学するといい」
- 海13 「何に興味があるのかな? 基礎を学ぶ書物も残っていたはずだ。どこだったかな」
- 海13 「ボクは教科書通りの信仰には戻らないから、参考にはならないだろうけど……」
- 海13 「うん、たまには良いな。改めて刺激を受ける」
- 海13 「今日はどうもありがとう。ボクも楽しかったよ」
- 海13 「ところで、キミを紹介してくれたトニイって確か……」
- 海13 「ボクより背丈が大きくて……」
- 海13 「面長で、目が細い……」
- 海13 「こんな人物だったかな?」
- 客人 「!!」
- 海13 「内緒内緒、大丈夫。ウフフ」
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