水金雑談、蠍金て何だっけ
2021年12月4日
- 金 「ねえスズハ」
- 水 「なに」
- 金 「蠍座金星って何すればいいんだっけ」
- 水 「……えっ?」
- 金 「急に分かんなくなっちゃった」
- 水 「そ、そんなの、こっちだって急に言われても……」
- 金 「辞書とかないの」
- 水 「あるけど、あんたも読んでたけど、結局は別の方向を選んだじゃない」
- 水 「美味しいもの食べて、楽しいことして、他人のクッション役もして……」
- 水 「あんたは何座かである以前に金星で、そうである以前に『キイクー』だった。そういう生き様を受け入れていたわ」
- 金 「そうだっけ」
- 水 「それとも、その……。そんなに蠍座金星にこだわるんだったら、私とセxxxでもしてたら判るんじゃない。以前みたいに」
- 金 「なんか違う。気分じゃないし」
- 水 「……ま、それもそうね」
- 水 (パワーワードを出しても驚かれないどころか、バッサリだわ)
- 水 (場の空気を和らげることに必死だった、あのキイクーが……)
- 水 (まさか余裕を失っている? 一体どうしたのかしら……?)
- 金 「あのさ。ドエロばっかりが蠍座じゃないって、ずっと言ってたのはスズハのほうだよ」
- 水 「あらあら。それでも例外的にドエロを追求するんだー金星だもんねーとか言っちゃって、私に良がっていた当時を忘れた?」
- 金 「そ、それはっ!!」
- 金 「……何か、ごめん。よく覚えてたね」
- 水 「……いいえ、私こそよ。私のほうこそ」
- 水 「それにしても、あからさまに元気を無くすなんて珍しいじゃないの。明日はヒョウでも降るかしら」
- 金 「アラレなら今朝降ってたよ」
- 水 「は、初雪……」
- 水 「やっぱり様子が違う。いつものあんたなら、もっと丸く収めようと口調をごまかすのに」
- 金 「あはは……いつものあたし、そんなごまかしてる?」
- 水 「ええ。もっと遠慮してる。どうでもいいことまで全部隠してる」
- 金 「全部隠れてるなら読めないはずだよ」
- 水 「読めなさすぎるからそう見えるの」
- 水 「それにしても、蠍座金星っぽいことねえ。改めて考えると何か……断言しづらいというか」
- 金 「言ったらドン引きされちゃいそうなのもあるしさ」
- 水 「ふーん……まさかあんた。それで分からなくなってるんじゃないの?」
- 金 「…………」
- 金 「……そう、なのかな」
- 金 「他の金星さん達を参考にしようかな。探索ツール、貸してよ」
- 水 「待ちなさい」
- 金 「……なに」
- 水 「正解を探そうとしてる」
- 金 「ほっといてよ」
- 水 「私から提案をさせて。今回は手探りでいくわ」
- 金 「効率悪いなあ」
- 水 「そ、そうだけど。でもダメ。また倫理疫のときみたいに、合わない価値観まで飲んでほしくないの」
- 水 「あんたにしかない積み重ねがその毒でまた壊れるかもしれない」
- 水 「他の皆が平気だとしても、それが正しい成長でも、私が嫌よ。もう、そんな目に遭いたくない」
- 金 「…………」
- 金 「…………うん」
- 金 「スズハなら、そう思うよね」
- 金 「それでも、あたしがいつもの様子じゃないのは、今にだけ必要な変化なのかも」
- 水 「……そうだと、いいわね」
- 金 「まだ納得してなさそう」
- 水 「別にいいじゃない、仕方なくても。そっちの事情だもの」
- 水 「プログレスでは実質射手座まで来てるんでしょ。だったらいっそ、射手座っぽいことでも試そうかしら」
- 金 「ゲームとか?」
- 水 「ゲーム(試合)とか」
- 水 「確かこの間、ゲームセンターの2階でね。綺麗なタイルのボードゲームが追加されたの。やりに行きましょうよ」
- 金 「へー、詳しいねー」
- 水 「これがプレイ動画よ」
- 金 「すごいなー。二人でもこんなに盛り上がるんだ?」
- 水 「トークンがおはじき状のタイルで、上手に組めたら芸術点も足せるの」
- 水 「色柄を見たり触れたり、遊んで談笑したりしているうちに……何か得るものがあるかもしれないわ」
- 水 (……こんな気分転換の誘いは、キイクーがよくやる方法だけど)
- 水 (……普段のあんたもこうやって私達を、助けてくれているのかしらね)
- 水 「それとも今日は……」
- 金 「え、ほんと! 嬉しー!」
- 水 「ちょっ、まだ何も言ってないわよ!」
- 金 「そーだっけ? アハハ」
- 水 「はあ。どうやら普段のあんたに戻ったみたいね」
- 金 「復活復活ゥー」
- 水 「もう……突然変わるから焦っちゃったじゃない。世話を焼かせないで頂戴」
- 金 「お互い様じゃなーい?」
- 水 「い、いつもはまあ。そうだけど」
- 金 「あたしが何者になっても、何者かでさえ無くなっちゃっても、一緒にいてくれてるなーって」
- 金 「それがね。嬉しかった」
- 水 「当たり前でしょ。何年いると思っているのよ」
- 金 「へへ……そういうとこ好きだよ。だーーーいすきっ」
- 水 「ぎゃ!?」
- 水 「っぐ、加減を考えて! プロレスごっこじゃないんだから!!」
- 金 「それもいいね~」
- 水 「良くな゛い゛っ!!」
- 金 「胎魚国がいつかダメになっても、あたし達が無意味になっても……こうして一緒に遊ぼうね、スズハ!」
~おわり~