キイクーのロジカル脱臼テクニック
2021年12月7日
- 「あら。いつもより返事が硬いような……まさか何か、毒でもあたった?」
- 「えー、それこそまさかだよー。タイナじゃあるまいし」
- 「ちょうど今朝も、タイナから出た悪霊を鎮めたんでしょ。あんたの身に何があっても不思議ではないのよ」
- (あの化け物に限らず、あんたは毎日私たちの隣で……聞こえているでしょうから。いっそ滅んでしまいたい、って)
- 「あ、UFO!」
- 「え、え、何……どこ?」
- 「あれー? 消えて無くなっちゃった~」
- 「……」
- 「スズハもUFO見たかった? ちなみにねー、スワロフスキー型だったよ!」
- 「それを言うならアダムスキー型でしょ。だいぶ古典的なUFOじゃないの」
- 「金星が見たんだからスワロフスキーでOKー☆ 盛り盛り映え映え☆」
- 「無理ありすぎよ!」
- 「そんなに有名なUFOならさ。他の人にも、そう見えやすいんじゃないかなー」
- (……これって本当に信じてるのかしら?)
- 「ま、冗談だけどねー」
- 「……それはどこから?」
- 「お? 鋭いねー。UFO見たとこからだよ!」
- 「なんだ嘘だったの」
- 「そんなにがっかりしないでー。話すの楽しかったからいーじゃん!」
- 「はいはい……」
- 「そんでさっき、何の話してたんだっけー? UFOの前」
- (あれ。全然思い出せない)
- 「じゃーあ、考えても仕方ない仕方ないっ。お昼の献立でも決めちゃいますか!」
- 「そ、そうね……」
- (……まんまと乗せられてる気がするけど、まあいいわ)
~おわり~
後書き前置き
こんな風に、キイクーには不意打ちの話題逸らしで思考を脱臼させるテクニックがあるのです。
主に情念の暴走を食い止めることに使われます。
今回の二人のやりとり、二人が持ってる射手座水星の風味が出ているようでそこが気に入ってます。
なんとなくテンポが速くてさらっとしている。
キイクーが蠍座金星って何だっけをスズハに相談する、軽ーい弱音回を考えている。
だけど、一件落着して完全に満足してしまったので、筆がもう進まず、細かい内容が埋まらない。(タイナの弱音回もそうだったね)
その話を考え中にセリフが脱線したのを、こっちにのせることにしました。
悪霊を鎮めたのは12月4日。
タイナが過激なことを言い出したと思ったら既にタイナじゃなくなってて、キイクーが後ろから「……ごめんね!」と、マジカルハンマーで粉々の散り散りに砕いて退散させたのでした……